プロローグ-序章-

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そういうやつらは、何もしない俺なんかと違って、目標のためにきちんと行動を起こしてる。 夢を「叶えられない」自分から「叶えられる」自分に変わるために、毎日必死で努力してる。 それなのに、肝心の俺はどうだ? 今まで何かのために行動したことなんて一度でもあったのか? いつだってやる前に諦めてきたんだ、あるはずがない。 行動を起こすことはおろか、自分が変わることすら考えてなかった。 ただ単調に過ぎて行く日々に身を任せるだけの変わり映えのない毎日。 そんな日常で交わされる中身のない会話。 表面上の付き合いや、それに伴う味気無い言葉の数々。 幾億もの人間の顔面に張り付いた偽りの表情と、そんな自分自身に嫌気のさしたやつらが引き起こす悲惨な事件――。 俺も社会も、どれもくだらないってわかってたはずなのに、変えようともしなかった。 「俺は平凡だからこれくらいがちょうどいいんだ」なんて言って、いつだって自分の本音から逃げてきた。 だけど、このままじゃいけない。 「俺なんて」って言ってるだけじゃどうにもならない。 このつまらない毎日や、何よりこのやる気のない自分自身を変えるためにも、そろそろ行動に移さなきゃならない。 最近、そんな風に考える様になった。 ……なぜかはわからないけど。
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