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かといって何か行動に移そうという気も、今のところはまったくない。
理由は明白だ。
優也の周囲には、この疑問に答えられる人間など一人もいないと知っているからだ。
それに万が一いたとしても、まず初めにどう動けばいいのか、或いは何をすればいいのか、それすらわからない優也と同じ種類の人間だろう。
優也の胸中に日々募ってゆく、疑問に答えられない歯痒さ。
答えを見つけたくても、それができない。
変えたくても変えられない。
だが、このままじっとしていてもどうにもならないことは優也自身も理解していた。
――自分は今、一体どうするべきなんだろう。
こんな葛藤を繰り返して人生が終わるのだろうか。
そんな高校生らしからぬ悩みに自嘲気味に自問自答しながら、優也は独り淡々と帰り道を歩いていた。
そんな時だった。
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