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私は 当時、23歳の 俗に言うOL。
毎日が 忙しくもあり、それなりに楽しく、充実した日々を送っていた。
8:30から17:00までの 仕事。 終業のチャイムに 間に合う様に 仕事をこなしながら
ニヤニヤして 今か今か?と
時間を待つ。
軽快な音で 鳴り出すチャイム。
聞き終わる前に 私は「お先に失礼しま~す」
呼び止められないように
早足で 事務所を後にする。
車に乗り込みながら、「今日は晩御飯、何にしよっかなぁ?」
実家の夕食の心配ではない。
一人暮らしの彼と 一緒に取る夕食のメニューの思案。
「昨日はアレだったからぁ。うーん。冷蔵庫に何かあったかなぁ?」
などと、あれこれ悩みながら
自分の家とは 反対方向の彼のアパートへ急ぐ。
途中で 小生意気な値段の輸入食材ばかりが目に付くスーパーへ寄り、買い物。
アパートに着くや 慌てて 米を研ぐ。
それから 下拵えをしながら 脱ぎ散らかされた服を拾い、パパッと掃除とお風呂の支度。
料理が出来上がる頃に 彼は帰宅。
「お帰りなさ~い」と 新妻気取りで お出迎え。
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