退屈な日常こそ宝物

癌病棟へ

毎日毎日 言われた様に チョコチョコを 頑張った。

自分でも アホみてえ、とは 思ったが、おば様達に負けるのは悔しい。

何より 自分の体なのに 自由に使えない事がもどかしかった。

…思えば保育園の頃、外で遊んだ後の お昼寝の時間。

自分で パジャマに着替える事になっていたのだが、
真冬には 手が悴んで 思う様に ボタンがはめられないと、 他の子は 先生に頼みに行っていたのに
私は 何とか 自分でやろうと
冷たい拳を 口の中に 突っ込み 暖めた。

それでも 上手くゆかない時は 頭に来て 自分の手を かじった覚えがある。

何度も。

呑気な様でいて、意外と負けず嫌いだったりする。

他人にではない。
自分自身に負けたくない。