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「な、なんで……?」
晴喜、質問。
「ククク……天使だからだよ」
アラス、返答。
「……やっぱ、それか」
全ての答は、“天使”ということで納めてしまう。
実に、ふざけた答えだが、やはり今は納得するしかなかった。
「さて、と……」
アラスは、右に三歩動き、先ほどの立ち位置に戻る。
戻っている最中にも何人かの生徒が、アラスをすり抜けていく
「晴喜、携帯電話というものは持っているかね?」
「一応……」
そう言い、晴喜はズボンのポケットから、携帯電話を取り出し、アラスに向ける。
アラスは、受け取ることなく、数秒間それをじっと見続け。
「ふむ、結構」
「…………?」
晴喜は何の事やら、分からず、とりあえず携帯をしまう。
「では、次の指令はそれに連絡しておこう」
アラスが言う“それ”とは無論晴喜の携帯電話を差す。
だが、携帯は外見を見ただけでは、電話もメールもできない。
番号やアドレスなどが、分からなければ、連絡など取れる訳がない。
「…………」
だが、晴喜はもう質問しなかった。
何故なら
どうせ聞いても彼はこう答える……。
“天使だからだよ”
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