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「……で」
と、晴喜
「この後は、俺はどうすればいいの?」
「やれやれ、キミは質問ばかりだなぁ」
呆れるように、アラスは大袈裟に溜め息をつく。
「少しはその頭で、考えて欲しいものだよ」
困った困った、と付け加えるようにアラスは言う。
晴喜は少しムッとするが、反論はしなかった。
「別に、次の連絡が来るまで、何もしないで結構」
「普通にしていいって、こと?」
「その解釈で結構」
ふーん、と晴喜は曖昧な納得をする。
「キミは私の言うことを、聞いていれば良いんだよ、それ以外はキミの勝手にすればいいさ」
何とも主従な言い方だった。
と、その時、学校中に余鈴の音が鳴り響いた。
その余鈴は、朝のホームルームの十分前を示している。
「おや、時間だな時間」
アラスはそう言い、晴喜の背中を軽く押す。
「さ、行きたまえ」
「あ……あぁ……」
晴喜は言われるがままに、校内へと足を進める。
何となく、このままアラスから、去っていいのかと少々悩む。
晴喜を門を通り、昇降口を目指して歩いて行った。
アラスはその姿を、横目で見る
やがて、アラスの視界から晴喜が消える。
「さて……」
アラスは小さく肩を竦める。
「始めるとするか……」
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