4353人が本棚に入れています
本棚に追加
県立鈴ノ宮高校。
今日で新学期二日目となる。
2年B組の教室。
この教室の窓側の一番後ろの席
「ハァ……」
深く溜め息をついているのが、晴喜である。
最近はずっと、こんな調子なのは無理もない。
昨日今日で、色々とあり過ぎたからだ。
ふと、晴喜は横目で右の方を、ちらりと見る。
この席から、右3つ隣の席今日も彼女は来ていた。
遠い存在のような彼女。
晴喜の初恋相手、それが早川柚音である。
「本当に成就するのかよ…………わっ!?」
人に聞こえない程度の声で、独り言を言っていた時、突然目の前が真っ暗になった。
何かが、晴喜の目を覆うようにふさぐ感触がある。
そして、晴喜の後ろの方から。
「だ~~れだ?」
「…………」
声を聞いた瞬間人物を判断し、晴喜はその体制のまま後ろに……
右エルボーを打ち込んだ。
「ぶへぇ!?」
その攻撃は見事、背後にいる人物の脇腹に命中した。
振り向くまでもなく、背後にいた人物は……
「何か用かよ、季助」
櫻井季助であった。
「……ふ、見事な一撃だな、マイフレンド晴喜」
かなりダメージが大きかったのか、季助はやや前屈みになる。
晴喜は振り向き、顔を合わせる
「んで、何か用か?」
「おいおい、今日も一段とクールだな~、おい」
「……あ、そうか?」
晴喜は小さく溜め息をはく。
何となくだが……
また、少し疲れを感じた……。
最初のコメントを投稿しよう!