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「おいお~い、いつからキャラチェンジしたんのよ?」
季助の問いに
「……いや、別に」
素っ気なく返す晴喜。
「悩みか、悩~み事かい?」
「……いや、別に」
「悩~みなら、お兄さんに相談してご覧~」
「……いや、別に」
「何かな、恋かな、それとも恋かな?」
「…………」
とりあえず黙れ、と言いたいがそこは控える晴喜。
「違う違う、疲れだよ、疲れ」
実にこれも素っ気ない返答。
だが、けして“疲れ”というのは嘘ではなかった。
最近、起承転結でいうところ、“転”ばかりが連発されたからだ。
「おいお~い、しっかりしろよ、お前は30過ぎのサラリーマンかよ」
「……ハハハ、そうだな」
棒読みのような愛想笑いをする
晴喜自身、本当は余裕などなかった。
軽い気持ちで始めたアレが、今ではどうも未来が不安ばかりに包まれる。
本来なら、わくわくするべきなのだろう。
もしかしたら、後悔をしているのかも知れない……。
晴喜の脳裏にそんな事が浮かぶ
「何でこんな気分なんだか……」
独り言のように呟く。
「およ、何か言ったか、晴喜?」
季助の問いに晴喜は
「……いや、別に」
素っ気なく返事をした……。
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