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「おーい、お前ら席に着けー」
時刻が8時50分を過ぎた時、教室の入り口から担任が入ってくる。
本日の時間割は、一時間目は総合となっている。
しかし、新学期始まって二日目というのに、今日から、もう6限目の時間割となっていた。
生徒からしてみれば、これは地味に苦痛を感じる。
担任が教壇に立ち、出席を確認する。
さすがに、まだ二日目なので欠席者はいなかった。
「えー…、本日の総合の時間は、委員会決めを行う」
そう言い、担任は黒板にずらずらと委員会の名を書く。
保健委員、体育委員、環境委員、図書委員……と、次々といくつかの委員会の名が書かれていった。
そんな光景を晴喜は、ボーっと眺めていた。
すると、右の方から……。
「ねぇねぇ、柚音は何にする~?」
晴喜の席から少し離れた所から、柚音と柚音の友達が話しているのを、晴喜の耳に届いていた。
「うん、実はもう決めてるよ」
と、柚音。
「へぇ~、もしかして保健委員?」
と、柚音の友達。
「うん、当たり」
そんな会話を晴喜は無意識に聞いていた、悪く言えば盗み聞きだ。
しかし、晴喜からしてみれば何とも良い情報だった。
つまり、保健委員を選べば、彼女と接する機会が増えるからだ
しかし、そんな考えは……。
一通のメールが否定する事になる……。
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