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「では、体育委員やりたい者は手を上げろー」
先生の呼び声に何人かの生徒が手を上げる。
もちろん、彼らは立候補者である。
無論、晴喜のお目当ては保健委員ただ一つ。
だが、ライバルが多すぎる……
きっと、柚音が保健委員をやるとわかったら、ほとんどの男子は保健委員という枠を狙うだろう。
「では、次に図書委員をやりたい者は手を上げろー」
先生の呼び声に数人の女子が手を上げるが、男子は上げていなかった。
と、その時……。
晴喜のズボンの中の、マナーモードにしてあった携帯が震えていた。
メールだ。
晴喜は先生に見つからないように、机の下でこっそり携帯を開ける。
「…………?」
知らないアドレスだった。
アドレスは英語と数字が適当に組み立てられていた。
何とも気味が悪い……。
「出会い系か……?」
登録した覚えはないが、とりあえずメールの内容を見るため、メールを開く。
「…………え?」
内容は
ただ一文
『図書委員に立候補しろ』
間違いなく
このメールは……
この命令は……
アラスからだった……。
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