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「……なっ!?」
晴喜は思わず気持ちが声に出てしまい、慌てて口を塞ぐ。
幸い、その声は誰にも気づかれてなかった……。
「…………」
晴喜はもう一度メールに目を向ける。
間違いなく、図書委員に立候補しろ、と書かれていた。
無論、柚音は図書委員何かに立候補していなかった。
では、これにメリットなどあるのだろうか?
そんな考えをしていると……
スッ……と小さく静かに手を上げる。
晴喜ではなく
晴喜の隣の席の彼女。
晴喜は思わず、隣の席に座っている彼女を見る。
左側は長く艶やか髪で一つに結え、襟足から右にかけては、短めに整えられている小柄な女の子。
彼女の名は
芹沢 奈央(せりざわ なお)
可憐だが、無表情なためか、どこか近寄りがたい雰囲気がある
そんな彼女が手を上げると同時に、周りがざわつき始め、手を上げていた者は、次から次へと手を下げていった……。
気づけば、手を上げているのは彼女、奈央だけだった。
何故か、立候補者達は奈央を避けていた。
ただ、晴喜は気づく……
図書委員になるという言うことは……
この状況で手を上げるということは……
奈央と一緒に図書委員を、やらなければならないという事だった……。
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