その偶然、的中

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  時刻は12時55分       学校でいうところ昼休み。     晴喜の現在地、図書室。       ありとあらゆる本が、置かれているこの場所に、晴喜含め複数の人が集まっていた。       そして、その中に芹沢奈央もいた。     図書室にいる彼らの共通点は、図書委員ということ。     何とも不運というべきか、図書委員のみが、こういう集まりが行われていた。     内容は図書委員に関する活動の説明。       本来ならば晴喜は、昼ごはんを食べているところなのだろう。     だが、思った以上に時間がかかり、気付けば1時を過ぎようとしていた。       「……ハイ、では説明はこれで終わりです、それでは解散して結構です」     担当の先生がそう言い 集まっていた人達はさっさと図書室から出ていった。       「……どうすっかなぁ」       晴喜はその場に立ち尽くす。       本来ならば、季助と何人かの友達と、昼ごはんを食べるのだが   さすがに、この時間ではもう食べ終わっているだろう……。   無論、季助のことだから待っているとは思えなかった。      「一人で食うのはなぁ……」      それはそれで少し虚しさを感じる。       そんなこんなで、思考していると……         「…………戻らないの?」        晴喜は突然、横から誰かに声をかけられ思わず驚く。     声の方向に振り向く。     そこにいたのは……             奈央だった。    
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