その偶然、的中

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  ミディアムヘアーの髪     美少女といえる可愛さ     学園内のアイドル       それが早川 柚音である。     晴喜の初恋相手   願いの対象相手   そして、アラスのターゲットである。     そんな彼女が今、晴喜の視界に映しだされている。     しかし……     “なっちゃん”とは誰を、指しているのだろうか?     少なくとも晴喜は“なっちゃん”と呼ばれたことはない……。     だが     確かに、柚音は真っ直ぐ晴喜の方向を見ている。       すると、晴喜は気づく……。       “なっちゃん”というニックネームは、名前に“な”がついてなければ呼ばれることはない。     ならば、晴喜以外に“な”がつく人物……       まさかと思う人物……       柚音はお弁当を持って、真っ直ぐ向かってくる。     そして、まさかと思う人物の前で立ち止まり……     「なっちゃん、ごめんね、部活の会議が長引いちゃって」     柚音が話しかけた相手……。       「……気にしてない、こっちも似たような感じだったから」      まさかと思う人物……       芹沢 奈央であった。         そう、柚音が呼ぶ “なっちゃん”= 奈央のことを示していた。     晴喜は思わず、この不思議なコラボに呆然としてしまう。     人を引き寄せる柚音と、人を遠ざける奈央。     そんな二人が友達というのは信じがたい。     だが     友達だからこそ、奈央はお弁当を食べずに柚音を待っていた。   友達だからこそ、柚音は奈央のことを“なっちゃん”というニックネームで呼ぶ。       これで納得できないはずがない……。       この二人が……       友達という関係性であることを……。    
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