その悪意、逆転

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    階段を一段降りる。     柚音は階段をもう一段降りる。     そして三段目を降りた時。     柚音はふと時間が気になり、鞄から携帯を取り出し時間を確認する。       時刻は17時36分       その時間を確認した後。   柚音は携帯を鞄の中に入れようとした。         だが         音がする……     遠くで音がする……。     柚音の背後から遠くで音がする……       柚音は気づいていない。       何かが遠くから近づいてくる音     その音は徐々に近づいてくる。     何かが走ってくるような音。       柚音は気づいていない。       音が大きくなる。   近づいてくる。   確実に         柚音に!         柚音は気づ――     「…………?」     気づいた!     だが、それを確認しようとした時。         ドン!       と、柚音の背中に強い衝撃が走る!     「――え?」     完全な不意打ち。     それと同時に、鞄が前に放り出される。     いや     放り出されたのは鞄だけではない。       柚音自身も前に放り出されている!       柚音は声や悲鳴を上げる間もなく。     受け身も取れず 階段に叩きつけられるよ うに強打する。     そして、そのまま転がり落ち   階段の先にある廊下の壁に強く激突した。       「……あ……ぁ……」       声が出なかった……。       そして、薄れていく意識の中……     柚音の耳には   誰かの声が聞こえたような気がした……。         そして……         そこで意識は消えていった……      
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