その悪意、逆転

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    今から40分前。       まだ晴喜が犯行を及ぼす前の時間。       メールで次の指示を受け取った時間       そして       最悪な指示を命ずられた時間でもあった。         場所、2年A組。       晴喜はいまだにその場を動かずじっと携帯の画面を見ていた。       「…………」       画面にはアラスから、送られてきたメールの文が映し出されていた。       「…………」       だが、晴喜はそれを納得することなど出来なかった。   いや、してはいけないはず……       「…………」       だが、指示には絶対に従わなければならない。     それはルール。     そして、それは必ず意味がある       「…………」       ルールを破ったらどうなるのか?   その時点で取り引きは無効となるのか?       「…………けど」       限度がある。     目的の為なら、何をしても良いのだろうか?     晴喜は迫る時間の中、再びメールの内容を見る。        その内容は……         『17時36分――    早川柚音が2年A組付近に  ある階段を降りる      そこを    全力で走って近づき            突き落とせ』         言っていることは悪。       だが、これら全ては晴喜にとって良き結果へと変わる。         「…………ちきしょう」        晴喜は悩み       そして、決心する……。             柚音を突き落とす事を……。    
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