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朝、目覚めると朝食の準備をした。
これからは質素な食事が続くだろうな。生活費を節約しなければならないし。
納豆ご飯に目玉焼き、味噌汁。贅沢なんか出来ない。これで充分よね。
椅子で寝たままのタクを起こす。
「…体が痛ぇ~~」
椅子で寝るからよ。
タクは目を擦りながらテーブルに並ぶ朝食を見ると不満そうな表情を浮かべた。
「これだけかよ」
「…節約よ。贅沢出来ないしこれで充分よ」
…チッ
タクの舌打ち。
私はミクも起こして朝食を食べさせる。ミクのは納豆無し。納豆はミクの大好物なのは知っているけど。
自分の朝食だけ納豆が無いのに気付くミク。
「ママ、納豆」
納豆を欲しがる。
「アンタには無いわよ。節約なんだから」
「節約?」
「つまりアンタに食べさせる納豆は無いって事!」
私は少し苛立ち声を荒立てた。
ビクッとするミク。
ミクは納豆を諦めた。
こーゆー場合、母親が我慢して子供に食べさせるよね……大抵の母親は。
私には出来ない……。
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