アヤサ  懐妊

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『いつ、堕ろすんだよ』 「早い方がいいから…次の休み。土曜日に」 『俺とのデートの約束の日だろ!』  ……こんな時もタクは自分の事しか考えない…。  何故こうも私をいちいち苛立たせるの?  カァッと苛立ち、私は拳を強く握った。  この拳で殴ることが出来たら快感かも、なんて思ったり。 『どうせなら俺とデートの後病院行けよ。最後に思いっ切り楽しもうぜ』  電話の向こうで笑うタク。  最低最低最低最低!!  怒りから、電話を思いっ切り投げ飛ばしたくなったが何とか耐えた。  呆れて、悲しくて虚しくて私は再び泣いた。声を出さずに。タクは気付かない。  結局土曜日はタクに会う事が決まった。  一緒に病院に行ってくれる?  違う。  又、身体を求められるんだろう。  妊娠した私に…。
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