アヤサ  雑居房

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「聞いたんだけど……アンタ、自分の子を虐待して刑務所に入ったんだって?」  絵理子さんは怒りで顔を歪めながら言った。   私は――静かに頷いた。   そう。間違いない。   私は怒りの感情のままに、この手で、ミクを叩いてきた。   細く、小さな肩を掴んでシンクの角に頭を打ち付けた。   これが、私の罪。   間違いない。   頷いた私を見て、絵理子さんは更に怒った。  「てめぇ!」   そう叫び、私の髪を鷲掴みしてきた。   ――痛いっ!   頭に手を当て、痛みで顔を歪めながら絵理子さんを見た。食い縛った歯を剥き出しに、目と眉を釣り上げ怒っている。 「何で自分の子を痛め付けるんだよ!お前は親なんだろ!守るべき子を何故!」  そう叫び、強く髪を引っ張ってくる。   私は、その絵理子さんの叫び声を聞いて、無抵抗になった。   叫び声に、怒りと悲しみが混ざっていたらか。   泣きながら叫んでいたから。   無抵抗の私に絵理子さんは容赦無く、馬乗りになり殴りかかってきた。   泣きながら殴ってきた。   私は無抵抗。   騒ぎを聞き、看守が部屋に入ってきて絵理子さんを取り押さえたので、やっと私は痛みから解放された。
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