25567人が本棚に入れています
本棚に追加
「聞いたんだけど……アンタ、自分の子を虐待して刑務所に入ったんだって?」
絵理子さんは怒りで顔を歪めながら言った。
私は――静かに頷いた。
そう。間違いない。
私は怒りの感情のままに、この手で、ミクを叩いてきた。
細く、小さな肩を掴んでシンクの角に頭を打ち付けた。
これが、私の罪。
間違いない。
頷いた私を見て、絵理子さんは更に怒った。
「てめぇ!」
そう叫び、私の髪を鷲掴みしてきた。
――痛いっ!
頭に手を当て、痛みで顔を歪めながら絵理子さんを見た。食い縛った歯を剥き出しに、目と眉を釣り上げ怒っている。
「何で自分の子を痛め付けるんだよ!お前は親なんだろ!守るべき子を何故!」
そう叫び、強く髪を引っ張ってくる。
私は、その絵理子さんの叫び声を聞いて、無抵抗になった。
叫び声に、怒りと悲しみが混ざっていたらか。
泣きながら叫んでいたから。
無抵抗の私に絵理子さんは容赦無く、馬乗りになり殴りかかってきた。
泣きながら殴ってきた。
私は無抵抗。
騒ぎを聞き、看守が部屋に入ってきて絵理子さんを取り押さえたので、やっと私は痛みから解放された。
最初のコメントを投稿しよう!