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眉間に皺を寄せたままの義父さんとは違い、タクは今にも泣きだしそうな顔をしている。八の字眉毛だ。
「あのな……アヤサ……」
暴力を振るっていた時の面影は一切無い、オドオドしてて情けない姿のタク。
私は返事はせず、ただタクを見つめた。
「あの……離婚、してくれないか……」
消え入りそうな声で言われた、「離婚」。
私は予想外の言葉に暫く硬直してしまった。
だって……別れたら殺すと脅したタクが、だよ。
悲しい訳ではない。かといって、嬉しい訳でもなく……
ただ、驚いた。
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