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そうか。
私と離婚しなきゃ、実の息子のタクを見捨てると言うのね。
いい年して自立出来ないままのタクも問題だけど……。
タク、私と付き合い始めた時は一人暮らししてたけど、親から多額の仕送りがあったからなんとか暮らしていけたのよね。
義父さんは、多額のお金を払ってでも、厄介者のタクを家から追い出したかったのね。
そして今、その厄介者のタクを再び家に招いてでも、私を籍から排除したいのね……。
「いいわよ」
この時始めて、私は面会に来た二人に向かって発言した。
「いいわ、サインするよ」
こう言って私は……微笑んだ。
結婚して、ずっと願っていた「離婚」の夢が、こんな形で叶うなんて……。
離婚の嬉しさと、皮肉な人生に笑ってしまった。
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