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タクが泣きそうだった目を丸くしてこっちを見た。
「離婚しましょ」
私は皮肉な笑顔を浮かべて、穏やかに言った。
「何故……そんな、笑ってられるんだよ」
タクの声が震えているのは泣きそうだから?それとも怒りから?
そんなタクの感情に構わず私は続けて言う。
本音を。
「やっと……念願だった離婚が出来て、嬉しいから」
結婚生活の中、ずっと望んでいた離婚。タクが怖くて言えなかったけど、今は安全な場に居るから、ずっと言えなかったけ本音を今吐き出した。
タクが私を丸い目のまま見つめ……言った。
「アヤサは……俺を愛していなかったのか……?」
愛してなかったか。
タクが言う「愛」は何故か悲しい響きがした。
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