25567人が本棚に入れています
本棚に追加
「それじゃあ早めに離婚届けにサインしてもらうか」
そう冷徹に言い放つ義父。その言い方が何故だかとても腹立たしかった。
「ああ、それからミクについてだが」
ミク。
ミクの名前を聞いて、ズキンと胸が傷んだ。
「親権はアヤサさんに譲るからな」
義父のその言葉は予想外の物だった。……いいや、この男だ。生まれる前は望んだ孫でも今では厄介者なのだろう。
だからミクを籍から外したいのも解る。
譲るなんて言ってるけど、押しつける、でしょ?だって、普通、虐待した親に親権を譲るなんて考えられないもの。
それにしても……ミクに対して、他に言うことは無いの?
虐待をした本人の私が言える立場ではないけど……。
もしかして、私に気を使って、虐待や怪我の事は言わないでくれているの?
ミクへの虐待や怪我について言わないのは、私が辛くならない為――?
しかし、次の義父の発言で、その考えがは撤回される。
最初のコメントを投稿しよう!