サトミ  見舞い

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 家事をある程度済ませた午後の時間、ミクちゃんが入院している病院に車で向かう。  運転中、車窓から幸せそうな親子の姿が見えて、何故か息苦しい思いに駆られた。   後悔の思いがそうさせたのだろう。  唇を噛みしめ、ハンドルを強く握った。  病院近くで小さな本屋を見つけ、車を停めてその本屋に立ち寄った。静かな店内で目指すは児童書コーナー。初めて入る店だから目当ての場所に直ぐに着けなかったが、早歩きで店内を歩き児童書コーナーを見つけると、ミクちゃんが好きだろうキャラクターの絵本を手に取りレジに向かう。   ミクちゃんを預かっていた時、よく見せていたアニメのキャラクター。   このアニメ、好きなんだよね?  病室にこの絵本を置いておきたい。   ミクちゃんが目を覚ました時、退屈したり淋しい思いをしないように。   ミクちゃん、この絵本喜んでくれるよね?   本屋さんから袋に入れられた絵本を受け取り、それをギュッと握り、本屋さんに礼を言って店を後にする。   向かう病院。   願うはミクちゃんの目覚め、そして……ミクちゃんの笑顔。   その為なら、出来る限りの事をしたい。   この絵本がミクちゃんを喜ばせてくれる事を願いながら運転する。
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