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病院に付いて、絵本を手にしてミクちゃんが居る個室に向かう。
何度かお見舞いに来ているので、看護師さんとも顔見知りになった。すれ違う度軽く会釈したり、時に、ミクちゃんの様子はどうか訪ねる。
相変わらず目は覚めないまま。
このまま目が覚めないかもしれないし、最悪な結果だって可能性は……ある。
私に出来るのは、回復を祈り、こうしてお見舞いに来ることだけ。
アヤサさんの代わりに。
そう言えば……ミクちゃんのパパ……タクさんにあれから会っていない。
ろくに挨拶も無いままタクさんは部屋を出て、隣は空き部屋になった。
あんな事件があったんだから住みにくいだろうし、引っ越しだって当然だろうけど、タクさんとも話をしたかったな。
ミクちゃんの事で。
『お節介』
そんな事は解っているし、他人の家庭に必要以上に踏み入るのは失礼だ。
でも、そんな思いが虐待を止めれない結果になってしまった。
お節介と思われようが、欝陶しいと思われようが、今後のミクちゃんの事でタクさんと話をしたかった。
何度かお見舞いに来てるのに、一度も他の面会者と会ったことが無い。
それが又……淋しいと思うのは傲慢だろうか。
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