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帰宅途中で買い物などをした為、マンションに着いたのは空が茜色に染まる夕刻時になった。
私はこの綺麗な夕陽が好き。
部屋に着き、外出後の日課で手を洗いに台所に向かう。潔癖症ではないけど手を洗わないと落ち着かないのよね。
手の洗浄を終えたらそのまま夕食の準備に取り掛かった。買ってきた野菜の皮を向きながら再び、どうしたら朋代さんがアヤサさんのお見舞いに行けるかを考えた。
『お節介』
この言葉が再び頭に浮かんだ。
『サトミはさぁ、他人の事にでしゃばり過ぎる所があるんだよね』
昔、友人に言われた言葉を思い出す。
『サトミは良かれと思ってやっているかも知れないけど、お節介は余計なお世話な場合もあるんだから。
自分は[良い事をした]と自己満足してるかもしれないけど、相手にとって迷惑な事もあるんだからね』
昔……、大学生の頃、好きな人に中々告白できない友人がいて、その恋を応援しようと勝手に行動したことがある。
友人が想いを寄せる男性に、色々と友人の良いところを話した。
勝手に友人をアピールした。
今思えば本当、お節介で余計な事をしたと反省している。
しかもその男性から、私が告白されてしまう最悪の結果だったっけ。
その時友人に言われた言葉。
なのにまだ、私はお節介な行動を続けるの……?
考え込み、ナイフの柄を握る手に力が入った。危うく指を切りそうになる。
そして、夕食が出来た頃、トモヤが帰宅した。
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