サトミ  見舞い

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 話しを聞いたトモヤは暫く考えて、朋代さんさえ迷惑でないのなら協力すると言ってくれた。  心から感謝すると同時に、この人が私の夫であることを改めて嬉しく思う。  私には勿体ない夫だわっ!  夕食を食べ終え、食器も洗い終えると、バッグに入れたままの携帯電話を取り出し、ソファーに身を委ねて携帯電話を開いて今日教えてもらったばかりの朋代さんの番号に電話した。  こんな早く掛ける事になるとは思わなかったなぁ。  電話を耳に当てる。コール音の後、電話に出る声が聞こえた。優しい声……朋代さんだ。  掛けたのが家電だから他の家族が出る可能性はある。自分を名乗り、一応相手が朋代さんかを尋ねたら、案の定朋代さんだった。  そうと分かれば用件を話さなくちゃ。  お節介な用件を……。 「あの……今日会ったばかりなのに、ごめんなさい。アヤサさんの面会なんですが、来月一緒に行けませんか?」
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