サトミ  見舞い

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 朋代さんは私の話しを受け入れてくれて、お婆さんにも『用事があるから出掛ける事になり、その間知人の男性が一緒に居てくれるけど良い?』と尋ね、『別に構わんよ』と返事を貰ったみたい。  それでもすぐ忘れてしまうみたいだが、知らない人と一緒になるのに抵抗はないと知れて良かった。    認知症と言ってもまだそれ程症状は深刻ではないみたい。お喋りが好きみたいだから相手をしてくれたら助かると。しかし、同じ事を何回も話すから、怒ったり「それさっきも聞いた」なんか言ったりせず、根気よく聞いてほしいみたい。  トモヤなら大丈夫よね?  目を離すと勝手に食事をして食べ過ぎたり、徘徊して迷子になったりするから気をつけてほしいと。これは直接電話をトモヤに代わって貰い、よく話し合った。  下手に色々な場所に連れてはいけないから、トモヤとお婆さんは、アヤサさんのお父さんのお見舞いに行く事が話し合いで決まった。病院の場所は解るから何号室かを聞いてメモを取る。  お見舞いに行けると聞いたお婆さんは、喜んでいたとも教えてくれた。  そうして、アヤサさんとの面会の日についての話し合いが終わり、電話を切った。  朋代さんは涙声になりながら何度も何度も礼を言ってくれた。その度、胸が締め付けられる思いがした……。
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