25567人が本棚に入れています
本棚に追加
朋代さんは私の話しを受け入れてくれて、お婆さんにも『用事があるから出掛ける事になり、その間知人の男性が一緒に居てくれるけど良い?』と尋ね、『別に構わんよ』と返事を貰ったみたい。
それでもすぐ忘れてしまうみたいだが、知らない人と一緒になるのに抵抗はないと知れて良かった。
認知症と言ってもまだそれ程症状は深刻ではないみたい。お喋りが好きみたいだから相手をしてくれたら助かると。しかし、同じ事を何回も話すから、怒ったり「それさっきも聞いた」なんか言ったりせず、根気よく聞いてほしいみたい。
トモヤなら大丈夫よね?
目を離すと勝手に食事をして食べ過ぎたり、徘徊して迷子になったりするから気をつけてほしいと。これは直接電話をトモヤに代わって貰い、よく話し合った。
下手に色々な場所に連れてはいけないから、トモヤとお婆さんは、アヤサさんのお父さんのお見舞いに行く事が話し合いで決まった。病院の場所は解るから何号室かを聞いてメモを取る。
お見舞いに行けると聞いたお婆さんは、喜んでいたとも教えてくれた。
そうして、アヤサさんとの面会の日についての話し合いが終わり、電話を切った。
朋代さんは涙声になりながら何度も何度も礼を言ってくれた。その度、胸が締め付けられる思いがした……。
最初のコメントを投稿しよう!