サトミ  見舞い

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 寝る時間になり、既にトモヤはベッドに居る為寝室の電気を消そうとする。  手を伸ばして電気の紐に触れ、それを引く前に……まだ明かりが燈っている内に、トモヤに聞いた。 「ねぇ……私ってお節介だよね」 「あ?ああ、そうだな」  いきなりの質問に少し驚きながらも真顔で即答するトモヤ。  やっぱりトモヤも私をお節介と思っていたのかぁ……。 「それってやっぱり……迷惑かなぁ?」 「は?」 「私、親切なふりして自分のエゴをただ相手に押し付けているだけで、余計なお世話をしてるだけ……他人に口出しし過ぎてるのかな?  それって……迷惑だよね」  電気の紐から手を離し、ベッドに座り込む。  手元にあった枕をぎゅっと抱いた。 「それって今日の話しの事か?アヤサさんの面会の」 「……うん」  答えると、トモヤは深い溜息を吐いた。  あ、呆れてる? 「サトミ、話しをこんなに進めながらそんな事考えていたのか?」  言葉は出ず、頷く。  抱いた枕に顔を埋めたからトモヤの顔は見えないが、多分、呆れたって顔してるんだろうな。 「じゃあ、今回の話しも、アヤサさんやその家族に迷惑だと思いながら進めたのか?」 「いや……。そうじゃなくて、何て言うか……。  実は迷惑ではないか、心配なの。結局、私がやってるのはエゴで、そのエゴに皆を巻き込んでいるだけに過ぎないんじゃないかって……」 「じゃあ、アヤサさんの母さんが言ってた『ありがとう』を信じないのか?」  いや……信じる。というか、信じたい。  私は首を横に振った。 「サトミは役に立ちたくてやったんだろ。その結果、『ありがとう』と言ってもらえたんだから、疑ったりせず素直に喜べよ。そんな疑ってばかりだと親切な事出来なくなるし。  人に全く親切に出来なくなるのも嫌だろ?」 「うん、まぁ……」 「じゃあ素直に感謝を受け入れればいいんだよ。じゃ、もう寝るわ」  そう言って布団に潜り込むトモヤ。 「ありがとう」  ありがとうって言ってくれたのに、疑ったりしたら失礼だよね。……素直に受け止めよう。そう思えてきた。  トモヤのお蔭で胸の中のモヤモヤが少し晴れた気がした。
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