アヤサ  母親

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 毎日が同じ事の繰り返しに思える雑房生活。規則正しい生活で娯楽が少ないから当然か。  こんな生活でも、タクと一緒だった頃よりは救われるのかな?  ……本当、皮肉な運命。  旦那の暴力に嘆き、それを理由に娘に暴力をしては又嘆き……最後は娘への暴力が原因で刑務所行き。その結果タクとは念願の離婚出来た。  でも……今になって、ミクを虐待し続けた自分に恐怖を覚える。  最後に、ミクの肩を掴んで打ち付けた感触、ミクの泣き声、床と手に付いた血、ぐったり倒れたミクが最後に見た姿。フラッシュバックみたいにあの惨劇を思い出す。そして身体が震え吐き気がする。  今更後悔しても遅すぎるのに。  前はタクが憎くて仕方がなかった。今でもタクは許せないし生涯許せないだろう。  でも、今はタク以上に自分が憎い。  自己嫌悪は日に日に肥大してゆく。  だからか何もする気になれない。  与えられた業務は何とかこなすけど、ここ最近はせっかくの自由時間をただボンヤリと無駄に過ごす。  だから今も、自由時間を狭く薄暗い部屋で隅に座り、ボーっとして過ごしている。時間の浪費ね。  そして、ボンヤリとしている私に、「面会人が来た」と看守が連絡してくれた。看守が近付く足音さえ気付かなかった。 「面会人……?」  ボーっとした脳ミソでは深く考えられずに、誰が来たかも気にせず面会室に向かった。
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