アヤサ  これから

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 私のせいで余計な厭味を言われたお母さん。本当に申し訳なくて、自分を消してしまいたくなる。  あぁ消えてしまいたい。  今回だって、私なんかの為にお母さんは米子叔母さんに依頼をして厭味を言われた。  私のせいで。 「ごめんなさい……」  謝るしか出来ないのがもどかしい。 「ううん……そんな事より、ミクの事なんだけどね」  さっきまでは、ただ淡々と私の質問に答えるしか話さなかったお母さんが、今やっとミクの名前を出した。  今回の面会はミクについてなのに、私はその課題から話を逸らすような事を喋っていた。  面会時間は限られているのに。  まさか米子叔母さんにお婆ちゃんを看てもらってるなんて思わなかったから、無駄にミクの話を逸らした事を今更後悔した。  この面会時間は、ただでさえ忙しいお母さんが凄く屈辱的な思いをしながら作ったのだ。  それを無駄にしたなんて……つくづく自分が嫌になる。  ……でも……ミクの事、これからについて話すのは、気が重過ぎる。  だって、私はミクとはもう暮らさないと決めたのだから。  これを聞いたらお母さん、千鶴達みたいに軽蔑の眼差しで私を見る?  今度こそ、縁を切られちゃうかな?  それとも、「糞女」と罵る?  私、最低な娘なのに、散々迷惑掛けたのに、その癖に両親に見捨てられるのが怖いんだ。  娘を虐待して、親に見捨てられたくないなんて浅まし過ぎて、嗤っちゃうね。
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