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前にも質問され質問返しをしたなぁ。
絵里子さんは、不満そうな表情になりながら答えてくれた。
「当たり前でしょ?そして謝る。怖い思いをさせた事、寂しい、辛い思いをさせた事、何よりも『殺人者の子供』にさせてしまった事を謝る。そして今度こそは楽しい思い出を作る。
それが大変なのは解るけど、自分の過ちを償う為にも、どんなに辛くたって子供の為に生きる」
そうか。
子供を守る為に旦那を刺して殺してしまった絵里子さん。
大丈夫だよ。貴女は子供を守ったのだから。
子供は分かってくれるよ。
絵里子さんが犯してしまった犯罪は許されるモノではないだろうけど、子供はきっと理解してくれて、一緒に暮らして共に幸せになれると思うよ。
絵里子さんの背後で胡座で膝に肘を付きながらコッチを睨んでいる千鶴に視線を向けた。
目が合い驚いた表情に変わる千鶴。
「千鶴さんも……刑務所(ここ)を出たらお子さんと暮らすのですか?」
まさか自分も問われるとは思わなかっただろう千鶴は、再び驚いて目を見開いた後、少し考えて答えてくれた。
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