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ドキドキしながら、ベッドへと向かった。
あっ、私汗かいてる。汗臭くないかな。
そんな心配をしちゃう。
だって少しでも不快な思いをさせたくないから。
汗の臭いが心配であんまり近付けず、ミクちゃんの足元で立ち止まる。
ミクちゃんは、起きていた。
上半身だけを起こして、横を向いて窓を見詰めていた。……雪を見ているのかな?
そんな姿を見て、改めて、意識が戻ったんだと実感して、身体の奥から何かが込み上げて来る。
強い、喜びの感情。身震いしそう。
ミクちゃんはパッと前を向いて、私と目を合わせた。
無表情で……切ない、顔。
取り敢えず、私は笑みを浮かべる。
「こんにちは、ミクちゃん」
……ミクちゃんは無反応。
えっと、どうしよう……。顔は、笑顔をキープしておく。
何から話そう……。いざミクちゃんを前にすると言葉が浮かばない。
あぁっ!前もって何を話すか考えておけば良かった。
…………。
ずっと無表情のまま、キョトンとコッチを見てるミクちゃんを見てると、心配になってきた。
まさか、頭を打ったショックで私の事忘れたんじゃ……。
「私の事、分かる?」
自分の顔に指を指し、恐る恐る聞いてみた。
笑顔のキープはすっかり解かれていた。
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