25567人が本棚に入れています
本棚に追加
ミクちゃんは、無表情のまま、コクンと力無く首を縦に振ってくれた。
……て事は……。
「覚えてるのね!ミクちゃん!」
嬉しくて、思わず大きな声を出してしまったからかな?ミクちゃんは少し驚いちゃったみたいで、肩をびくつかせ、目を丸くした。
驚かせちゃって御免ね。
でも、嬉しいんだ。ちゃんと目を覚ましてくれて、私の事も覚えていてくれて……。
…………。
私の事を、覚えている。
じゃあ、謝りたい。
『助けてあげられなくて、御免ね』って……。
私が、もっとしっかりしていたら、ミクちゃんは大怪我しなかったかもしれないし、アヤサさんも刑務所になんて…………。
謝りたい。
でも、今此処で『虐待されてるのを薄々と気付いてたのに助けてあげなくて御免ね』なんて言っても……心の傷をえぐってしまいそうで……余計に傷つけそうで、言えない。
そして……他にも、言いたい事……ミクちゃんに聞きたい事がある。
『ママに会いたい?』って質問。
ミクちゃんはあの事件があって……アヤサさんをどう思っているのか、知りたい。
でも……こんな事、聞けないよ。
他人でしかない私がしていい質問じゃ、ないよね……。
最初のコメントを投稿しよう!