サトミ  私に出来ること

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 ミクちゃんは、無表情のまま、コクンと力無く首を縦に振ってくれた。  ……て事は……。 「覚えてるのね!ミクちゃん!」  嬉しくて、思わず大きな声を出してしまったからかな?ミクちゃんは少し驚いちゃったみたいで、肩をびくつかせ、目を丸くした。    驚かせちゃって御免ね。  でも、嬉しいんだ。ちゃんと目を覚ましてくれて、私の事も覚えていてくれて……。  …………。  私の事を、覚えている。  じゃあ、謝りたい。  『助けてあげられなくて、御免ね』って……。  私が、もっとしっかりしていたら、ミクちゃんは大怪我しなかったかもしれないし、アヤサさんも刑務所になんて…………。  謝りたい。  でも、今此処で『虐待されてるのを薄々と気付いてたのに助けてあげなくて御免ね』なんて言っても……心の傷をえぐってしまいそうで……余計に傷つけそうで、言えない。  そして……他にも、言いたい事……ミクちゃんに聞きたい事がある。  『ママに会いたい?』って質問。  ミクちゃんはあの事件があって……アヤサさんをどう思っているのか、知りたい。  でも……こんな事、聞けないよ。  他人でしかない私がしていい質問じゃ、ないよね……。
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