サトミ  私に出来ること

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 部屋に着くと、底が汚れたバック等の汚れを落とし、買った物を仕舞う。  それだけで疲れてしまう。なんだか料理する気力が無い。  そんな訳で夕飯は手抜き料理。レトルトカレーを温めた。  トモヤが帰宅し、温めたカレーを皿に盛って一緒に食べる。  先に食べ終えたトモヤが、まだ食べている私を見ながらボソッと言った。 「何か元気ないな……てか、機嫌悪いな……」  それを聞き驚いて噎せそうになった。自分ではいつも通りに振る舞っているつもりだったが、トモヤは私が何時もより元気が無いのに気付いたみたい。やはり数年共に過ごした夫婦だから気付くのね。 「ん、まぁね……」 「まさか俺が原因か?」 「違うって」  トモヤが心配そうに言うから、少し笑ってしまいながら言った。すると、つられて笑うと思ったのにトモヤはもっと深刻な顔になった。 「今日……ミクちゃんのお見舞いに行ったんだよな……。まさかそれで……」  私はドキっとした。  その通りだから。 「やはりそうなのか……」  答えずとも固まってしまった私を見て察したみたい。 「そんなに容態悪いのか?」  心配そうな顔をするトモヤ。私は慌てて首を横に振った。 「いや、違うの。今日会ったけど、怪我は大丈夫そうだった」  私の言葉を聞き、ちょっと間を空けて言った。 「じゃあ、心の方の、問題か……」  コクンと静かに頷いた。
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