サトミ  私に出来ること

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 俯いたままの私に、暫く黙っていたトモヤは言う。 「別に、家事について不満がある訳でないんだよ。飯だってたまには手抜きも構わないし。  ただ、ミクちゃんの事で、責任を感じて関わり過ぎている気がする。  関わるなとは言わない。だが、サトミはあくまでも他人で、サトミの生活があるんだから、その、何て言うか……それを犠牲にしてまで関わるのはどうかと思う……」  言いにくい事を言う様な感じで静かに話すトモヤ。  しかし私はすぐ言い返した。『犠牲』と言う言葉が引っ掛かったから。 「犠牲?私は犠牲になんかしてない。確かに家事については支障は出てるかもしれない。でも、私がお節介で、自分がやりたくて自分でやっている事だから、犠牲なんて言われたくない」 「……言い方が悪かったよ。ごめん。  でも、ミクちゃんに関わり、落ち込んだりするのを見てると、『そんなに関わるな』と思ってしまうのも事実なんだ。  そりゃ俺だって、ミクちゃんは気の毒だと思うし、何度か遊んだりもしたから全く他人とは思えないし、出来ることは何かしたいとは思うが……」  そこまで言い、黙ってしまうトモヤ。多分、自分が言ってる事の矛盾で言葉が詰まってしまったのよね。  『何とかしてあげたい』と『あまり関わらないで欲しい』。  私が、不器用だから……ミクちゃんの事で落ち込んだりしたからトモヤに心配させたんだ……。  自分の至らなさに腹が立った。
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