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「別に……そんなつもりで言った訳じゃ」
トモヤが困ったような、不機嫌そうな顔で言う。
そうだよね。あんな事言われたら嫌な気分になるわよね。
なのに、謝れず、蟠りが暴走する自分。
「それなら、私の作った料理の方が、美味しい?」
トモヤは困った顔をする。
そして、答えてくれない。
「どうして答えてくれないの?やっぱり私の料理なんかより、買ってきた物の方が美味しいの!?」
「どうした?兎に角落ち着けよ。
……お前が作った料理の方が美味いから」
トモヤが宥める様に言う。
私は、それを聞きながら静かに言った。
「私の料理の方が、美味しい?
なのに……夕食を……作れなかった……」
泣きそうになりながら、そう言う。
情けない自分。こんな事でヒステリックになり、トモヤを困らせ……。
何故、夕食を作れなかった事がこんなにも情けなかったんだろう……。
『旦那さんにも悪いわ』
あの朋代さんの言葉が胸に仕えているから……?
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