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結局お弁当は喉が通らず、半分以上を残してソファーに座り込んだ。
高ぶった気持ちを落ち着かせたい。
そして、何故こんなに夕食の事でトモヤに突っ掛かってしまったんだろう。
それを考えた。
夕食を作れなかった事なんて、今日が初めてではないのに……。
そうだ。私がまだ、勤めていた時……共働きの時は、夕食を作れなかった日もあった。
私が仕事を辞めたのは、不妊治療に専念する為で……。
肉体的、精神的、そして経済的にも辛い治療。
それが、ミクちゃんに関わっているうちに、治療をサボるようになっていた……。
子供を宿せない自分を責め、治療の為仕事も辞めた自分。
治療費だって大変なのに、トモヤは私を気遣ってくれて、仕事を辞めさせてくれた。
私の精神面を気遣ってくれて。
だから私は、せめてトモヤには完璧な奥さんでいようと努力した。
家事だけはしっかりしなきゃ、と……。
だけど、ミクちゃんに関わる内に、家事だって等閑になってしまい……。
そんな中途半端な自分が嫌になってしまったんだ。
ミクちゃんに関わったからって、ミクちゃんが悪い訳でも無い。
私が勝手に関わったのだから。
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