サトミ  お見舞い

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 あれこれ悩んだ。何が最善なんかは私なんかに分からない。私が出す答え、行動は他人には迷惑かもしれない。でも、全てが中途半端になるのは嫌だ。  もう、迷わない。  又、ミクちゃんに会いに行こう。  朋代さんは私のお節介を嫌がるかもしれない。  もう関わらないで欲しいという意思表示だったかもしれない。  でも、それを考えクヨクヨなんかしてられない……わよね。  ミクちゃんや、朋代さんが嫌がっている様子なら、もう会うのは最後にする。  ミクちゃんの、退院祝いを、したい。  ……このままずっと、ミクちゃんに会わないのは嫌だ。  私がただ単にミクちゃんに会いたいからという理由だけじゃない。  関わるだけ関わり、最後にいきなり会わなくなるなんて、ミクちゃんを見捨てるみたいで心が痛むから。色々傷付いたミクちゃんを『見捨てる』という形で再び傷付けたくないから。  この考えは、思い上がりかもしれないが……。  そうだ。会うと決めたなら、まず、トモヤに話さなきゃいけない。  ……今日、夕食を作れなくなってしまった原因、ミクちゃんのお見舞いに行った事など。  隣に座っているトモヤの方を向いた。  トモヤもこちらを向く。  私が真剣な顔で、じっと見詰めたりしたもんだから、ちょっと戸惑っている。 「……?  どうした?」 「あの……今日、帰りが遅くなったのは……ミクちゃんのお見舞いに行ったからなの」  話すうちに視線が段々下がってしまった。 トモヤが不機嫌になるかもしれない。それを考えると、目を合わせているのが辛くなった。
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