サトミ  お見舞い

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 そしてトモヤは優しく言ってくれた。 「もう関わるななんてもう言わねーから、ミクちゃんに会いに行けよ。  お前にとっては、関わらない方が精神的に良くないみたいだし」  私は苦笑いした。  もし、トモヤは怒って『関わるな』って言ったらどうしていただろう……?  多分、ミクちゃんが気になって気になって、又トモヤにヒステリックな態度をとるかもしれない。  そんな私を理解してくれたんだろうな。 「ありがとう……」 「……まあ、俺だって、ミクちゃんの事が、気にならない訳ではないからな」  そうだよね……。トモヤも、この部屋でミクちゃんと遊んだりしたんだよね。  ふと、ミクちゃんの姿を思い出した。  この部屋で、大人しく遊んでいた、表情の乏しい女の子。  頭を撫でた時、ちょっとだけ嬉しそうな顔になったのは、忘れられない。
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