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病院を出た。駐車場に向かう前に聞いた。
「車で病院に来たのですか?」
朋代さんは運転免許無いけど、旦那さんが運転で車で来たのかもしれない。
「いえ、タクシーで……。退院したばかりだから無理しない様に」
「そうですか。それじゃあ私の車に乗ってください。送りますよ」
そう言って、車を停めてある方向を指差した。
朋代さんは旦那さんと顔を合わせた後、頷く。
「それじゃあ、お願いするわね」
「すみませんが、お願いします」
二人に礼を言われる。失礼したのに礼を言われると恐縮してしまう。
私が先頭で駐車場を歩き、停車した所に着く。私はキーを取り出す。すると朋代さんが申し訳なさそうに、言った。
「あの、近くのファミレスに寄ってもらっていいですか?……ミクに大事な話があるから、帰る前に、サトミさんと一緒に話したいので……。
あの、迷惑でなければ、なのですが……」
……大事な話。アヤサさんと暮らしたいか、暮らしたくないか……その話よね。
「解りました。私なんかでよければご一緒させてください」
そう言って車のキーを開けた。
「どうぞ、乗ってください」
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