サトミ  運命の決断

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 そして私もハンバーグランチを頂く事にした。  珈琲も口にしたがやはりもう冷めていた。 「ハンバーグ美味しいよ。  ミクちゃんのプリンも美味しそうだね。ミクちゃんも食べよ」  あんな話の後にこんな事を言っている私は、空気が読めない女だろうか。  いや、私は空気を変えたいのよ。この息苦しさも感じる空気を。  こんな事を考える私は、この席に居るべきではなかったのかも……。  ミクちゃんは、そっとスプーンを持つと、オドオドしながらプリンを食べ始めた。  たったそれだけの事が、今は嬉しかった。  ミクちゃんはプリンアラモードを半分位食べて、残りは朋代さんが食べた。  朋代さんが食べ終えた時には、私もハンバーグランチを平らげていた。  うぅ……胃がもたれる。  もっと軽い物を頼めば良かった……。  食べ終えると、再び、朋代さんが確認する様に言った。 「ミク……ママと暮らさないって事は、知らない人と暮らす事になるのよ、良いの?」  ミクちゃんは、暫く考えた後、コクンと頷いた。 「本当に良いの?」 「おい、しつこいぞ」  繰り返し聞く朋代さんを旦那さんが止める。 「ミクの……幸せの、為なんだ」
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