サトミ  運命の決断

18/18
前へ
/1109ページ
次へ
 朋代さん達は、別れたくないのに……大切に思っているのに、別れなきゃならないの?  それにアヤサさんだって、本当はミクちゃんと、暮らしたい筈……。  ううん……これは、ミクちゃんが選んだ答えなんだ。  これじゃ駄目なんて、私が言ってはならない。  それに、朋代さん達にも色々事情がある。  『他人』の私が口出ししてはならない。  朋代さん宅に到着して、三人が降りる。    眠ったままのミクちゃんを、朋代さんがそっと抱えながら降りた。  起こしたら気の毒だからと起こさないまま朋代さんが抱っこする。二人からは何度もお礼を言われた。  外は寒いので、ミクちゃんが冷えない為にも会話もそこそこにする。  今、朋代さんの腕の中で眠るミクちゃん。  これが、ミクちゃんに会う最後かもしれない。  そう思うと中々別れたくないが、三人を外に立たせる訳にも行かず、かと言って朋代さん宅に上がる訳にもいかず、会釈して車を発進させた。  ミクちゃんの姿を目に焼き付けて……そのまま帰宅した。
/1109ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25567人が本棚に入れています
本棚に追加