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「へえー。つまり、あんたんところは金持ちなんだ」
甲斐が感嘆の声を上げる。そしてその肩まで伸びた長い髪の毛を、邪魔くさそうに首を振った。髪が、サラリと宙を舞った。河俣は、思わずそれに見とれた。甲斐は、外見はかなり美しい。女優希望なのも分かる気がする。
しかし、内面は――。そこまで考えて、河俣は首を左右に振った。今は、そんなこと考える時ではない。
「とりあえず、部屋はこんな感じだ」
と、河俣は《桜館》の平面図を取り出した。皆、それぞれ名前を部屋の空白に書き込んだ。部屋割りは次ページの通り。
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