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その部屋の中は、1階フロアとは違い、割れた窓ガラスや壊れた木製ベッドの木片、それに砂や小さな石が散らばっていた。その為か、歩く度にジャリ、ジャリとガラスを踏む音が室内に響く。
割れた窓から風が吹き込み、びゅうびゅうと不気味な音がしていて、雨が館内に吸い込まれるように降り注いでいた。
「ここには何もないみたいだな」
よっちゃんが、懐中電灯で室内を照らしながら言った。
「そうね」
と、さっちゃんも同意した。
三人は、部屋を出た。廊下を、向かって右側に進む。
「なあ……あの部屋、なんか光が漏れてないか……?」
怯えた口調でよっちゃんが言う。確かに、微かだが光が漏れている。
その上に、《研究室》と書かれた看板があった。どうやら、ここは何かの研究室だったらしい。
「……行ってみるか」
懐中電灯の光を消し、よっちゃんが言った。
「行くの?」
と、不安そうな声でさっちゃんが言う。
黙って、よっちゃんは歩みを進めた。ふたりは顔を見交わし、急いでその後を追う。
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