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「なっ……!?何者だっ!」
突然響いた声に、男達は驚きも露に椅子から立ち上がる。
彼等の視線の先には、薄い茶色の髪を腰まで伸ばした可愛らしい、だが、何処か冷たい印象を与える少女。
そして、流れる様な銀の髪を持つ、蒼い瞳の少年が佇んでいた。
先程の言葉は、どうやらこの少年から発せられたらしい。小さく微笑んで再び少年は口を開いた。
「…諦めたくないのなら、力が欲しいのならば、私達と取引致しませんか?」
男達の言葉を無視して、先程と同じ言葉を少年は繰り返す。
少年の従者の様に一歩後ろに立つ少女は、沈黙したまま静かに男達を見つめるだけだ。
「な…何を言っている!どうせ貴様も魔族の仲間……!」
「……待て」
激昂する一人の男を制し、上座に座る老人…トューレ国王は二人の少年と少女を見据える。
「…そなたらが…死を糧とする者【死の商人】か…?」
王の呟く様な質問に、男達は驚愕の表情を浮かべ改めて二人を見つめる。
その質問に対して少年はうっすらと微笑み、少女は無表情で小さく頷く。
「…さぁ。ご注文をどうぞ…?」
これより三日後。圧倒的戦力差にて押し寄せた魔王軍は、僅か四時間の戦いの後に全滅した。
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