植木鉢

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  「お嬢様?」 そう呼ばれた少女は ぼんやりしていて 呼びかけには答えなかった。 お嬢様─と 呼ばれた少女の名前は侑。 歳は16、家柄は良い方。 家には使用人が沢山いる。 侑はメイドの入れてくれた 紅茶の香りで我に帰った。 「ぁ…ありがとう」 「お嬢様、考え事ですか?」 メイドが訪ねた。 「ちょっと…ね。  ねぇ…  美樹さんは恋したことある?」 美樹、と呼ばれたメイドは 唐突な質問に少し戸惑ったが 「ありますよ」 と、笑顔で答えた。  
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