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「……まァた会ったな。ストーカーかァ?切り刻むぜェ……」
振り返った男がナイフをべろりと舐めながら笑う。
彼は否定するけれど僕はその仕草が酷く綺麗だと思う。
そして僕はお決まりの台詞を言い放つ。
「僕はいつでも最適な死に場所を探してるだけさ。……それにお生憎様、僕にはもう切り刻む場所なんてないよ」
血まみれの水たまりの上で、まるで夕飯の支度が終わったかのような表情でナイフを拭く男を僕は知っている。
否、知っているなんてものではない。だって彼は―……。
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