献辞

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くそったれ!くそったれ!くそったれ!くそったれ! どうしてこのページに飛んじまったんだ? こんなスランプ野郎の作品なんかより、素晴らしい場所━━そう、金髪の裸の姉ちゃんなんかが手招きしている、あのイヤラシいところだ━━に行った方がまだマシだ。 くそったれ!ここにはなんも有りゃしねぇ。道を覆うアスファルトも、電気を運ぶ電線も、家も、人も、男についてるアレすらもねえ。 真っ白だ。真っ白。 上も、下も、左も、右も━━そもそも上下左右ってのが、ココに存在するのかも怪しいもんだ。 ココには机の引き出しの中身くらい何にもないが、大型ショッピングセンター並に何でもある。 言ってる意味が分かるかい? この狭い世界じゃ、オレは神様と同類って事だ。 仮にもし世界旅行に行きたいと思ったのなら、数日で全ての国に行けるだろう。何かを喰いたいと思ったのなら一瞬で事足りるだろう。 “だろう”ってのは、それが推測だからだ。カップヌードルを待つ間に出来るかもしれないし、それこそ世界が終わるまで出来ないかもしれない。 アンタらは、このストーリーを一文字と変えることは出来ない。 歴史と一緒だ。 “私はナポレオンが好きだから、もうちょっと長生きさせてあげよう”なんて狂った台詞を吐かないのと同じさ。 歴史の年表を見るのと同じだ。 ただし、この場で年表を書くのは俺。 ようこそ“紳士、淑女の皆様(レディース&ジャエントルマン)”、この狂った世界に。 こんな狂った世界を産み出したオレは勿論狂ってる。狂っていないなんて誰にも言わせやしない、って言うくらいにな。 頭の重要な部分━━シナプスなんかどっか、あらぬ方向にイッチまってんだろう。 でも、こんなオレ━━頭んネジが、それこそ弛んでない所を探す方が難しい━━にも怖いモノがある。 それは…… この世界を終わらせ、全てを真っ黒に染め上げる“携帯の電池切れ”さ。            end
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