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ホームルームの途中、先生の出席点呼で、背の高い男は「田代」と言う事がわかった。
ホームルームが終わり、当然の如く、田代は僕達の元へ一直線に向かって来た。
「おい!お前ら二人、ちょっとトイレまで来いや!」
周りを見渡すと、仲間はいないようだった。もし、喧嘩になるとしたら、二対一でも勝てると言う自信の表れなのか…
とりあえず、ただ者ではない…と、思っていたが…
教室を出て、トイレに行く途中から、ゾロゾロ…ゾロゾロと…10数人が…
僕は心の中で終わった…
と、思っていた。
トイレの中に連れ込まれ、囲まれると、さらに恐怖感が増すんです。
中学時代、散々、囲まれ、袋叩きされた僕でも、背筋が凍るってもんなんですが…
隣の良平を見てみると、アラ不思議…ニヤニヤとしたままなんです。
そして、良平の放ったこの一言。
「ねぇ…。こんなに人数集めて俺達をどうしたいと?マーシー君。」
は?
マーシー君?
誰だ?それ…
「良平こんな時に何言いよると?」
「だって、田代やろコイツ?じゃあマーシーやん。」
そう言った良平はニヤニヤしっぱなし。
しかし、良平の突然のマーシー発言に、途中から合流した誰かが、クスッと笑ってしまったのです。
田代の怒りは爆発。
「今、笑った奴誰や!?出てこいや!」
シーン…
「誰やって言いよったい!?あぁ!?」
そのうちの一人がゆっくりと手を上げた。
ん?誰だっけ…何か見覚えがある顔だ…。
そいつの顔を思い出すまで、そう時間はかからなかった…。
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