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「よぅ。」
気軽に声をかけてきた主は特に見覚えのない顔だった…。
「え?俺に言いようと?」
俺の返答にそいつは顔をくもらせた。
「お前以外誰がおるとやって!俺、同じクラスやったやろ?」
「え?見て無い…てか、興味なかったし。」
「クールやね~。俺、良平。君、泰平ってゆうんやろ?平つながりやん。」
なんだそれ?
変わった奴…。
「まぁ…そうやね。平つながりやね。」
良平はブハッと笑ってた。
それを見て俺はクスクス笑った。
こんな変な会話から、僕等はつるむようになった。
「泰平、今日俺んち来いよ。一緒に髪染めようぜ。」
「は?何でいきなり…。」
「お前知らんとや?」
「何を?」
良平の説明では、この学校…。全校行事がある時は頭髪検査があり、強制的に黒染めさせられるとか…
でも、一日たてばみんな元の髪色に戻るとかで…それはもう、黒髪の奴の方が珍しいとか…。
本当、適当な学校である。一日限定の意味の無い頭髪検査…。うちの学校の近くのコンビニは、一日染めのスプレー(黒)が爆発的に売れているらしいのだ…。
その話しを聞き、僕は人生初のカラーリングをしに、良平の家に向かったのだった。
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